こんにちは
先日ローカルイベントで、チケットを頂いて10/20から日米などで公開されている"Killers of the Flower Moon"を観てきました。
www.killersoftheflowermoonmovie.com
今後はTucson AZでもコミュニティショーイングがあるようです (TBD)
イサカとツーソンというどちらも個人的にゆかりのある地でなんだか嬉しい。
あらすじとしては
先住民オセージ族 (Osage) はカンザスからオクラホマの何もないような土地に追いやられ、暮らしていた。が、実はその土地にはアメリカでも最大の石油が埋まっていることがわかり、そこからアメリカで住人当たりもっとも裕福な部族となる(オイルマネーが配当金として支払われる)。
そんなオセージ族がつぎつぎと不審な死を遂げ・・・(実際には数百人もが犠牲になったそう)
先住民と白人、信頼、利害
どろどろ。
という話!(はしょりすぎ)
なんと、この映画3時間半という超大作・・・
監督・脚本家曰く、これでもかなりそぎ落としてポリッシュして、無駄なシーンは全くなく残ったシーンはすべて必要不可欠で意味がある、とのこと。
たしかに、無駄、なシーンはなかったと思います。
原作 (2017年アメリカで出版) も、邦訳があるんですね。
↓アメリカ、英語版
本は(も)かなり白人白人しているようですが読んでみたいと思いました。
(Libbyでは軒並み予約待ちでした)
原作はよりFBIの視点が多いとか多くないとか。
因みに著者のDavid GrannさんはNY出身のジャーナリスト・作家で、ネイティブアメリカンとかではありません。
実際にあったアメリカ歴史上でも最悪な事件の一つ。
白人サイドの主演はレオナルドディカプリオとロバートデニーロ。
演技は普通にすごいと思うけど、もうこの時点でハリウッドーーー・・・
先住民主演はリリーグラッドストーンというオセージ族ではないが、ネイティブアメリカンの素敵な女優さん(演技が素晴らしかったです)
Vogueより画像お借りしました
ハリウッドハリウッドな映画でしたが、ネイティブアメリカンのアイデンティティをどう昇華していくのかが気になる女優さん。名声を手に入れるだけでなく、ネイティブアメリカン側からの製作とかにも関わってほしいなんて個人的には思いました。
個人的にはWhaleがとてもよかったBrendan Fraserが出てくるの知らなくて、おお!ってなったり、ブレイキングバッドのJesseがいい味出してたのが良かった。
話自体は結構ストレートフォワード
最初から最後まで結構ディカプリオとデニーロがクソ役。
観終わった後は結構色々な衝撃
観たグループでも色々なディスカッションがでて、インパクトの大きな(結構ディスタービング)な作品でした。
批判する人もいるし、それはかなりわかるけど
私的にはnot too badでした
良かったところ
- 私はこのことを知らなかった。知ることができて、今もっと知りたい
- Osageの言葉(アメリカ先住民の言葉)が割とふんだんに使われている。一部字幕がなく、結構もどかしかった・・・
- 最初のシーンはネイティブアメリカンだけでなく、世界中の先住民が経験したことを改めて観衆に突きつけるシーン。言葉は文化でありアイデンティティである。
- 先住民と糖尿病の問題
マイナス
- ハリウッド感強すぎ(笑)
- もっと先住民側の描写を掘り下げてほしかった
- 結構ショッキング
先住民と非先住民の間の信頼って
今現在も一番むずかしいところだなって思う日々です
あとは、対等性。どっちが上とかではなくて、本当に対等でないと、結局信頼に影響する。
先住民の人と話すと
かならず、土地、サステイナビリティや環境の話になる
多くの先住民は土地に対して所有という概念を持っていなかった。
でも、たまに【?】と思うこともある。
この映画では、Osageにそんな違和感を感じた。
結局油層、採掘、オイルマネーを受けることを知っていて、土地の所有をしっかりと主張し、地球をむさぼるのに加担してるじゃないか。そうせざるを得なかったのか。白人のせいか、選択肢はなかったのか。
確かにOsageは土地を追われ、Fairfax OK周辺に追いやられた (Res)。絶望的だったところに、油層の発見。無理はないし、避難できない。
ただ、映画で描かれたようなその贅沢は必要なのか。
そのお金の使い方は先人にどう映るのか。
キャピタリズムとはいえ
西洋人も先住民もそれにすがりすぎてしまった、哀しい物語。
にしても、事件そのものは本当に凶悪で
そんなオイルマネーとグリーディな思惑と血に汚れてしまったlandは悲しい。
哀しい土地に行くと、なんだか感じるものがある、
そんなことを先住民の一人から聞きました。
その方は州外に住んでいますが先住民の地イサカを訪れた際も、美しく、心が精神が癒される一方で、土地から哀しみを感じる瞬間がふとあったそうです。
エコシステム、というと自然や動物に目が行きがちですが
そこに住む人間もその循環の一員。
何千年とその土地に暮らしていた先住民というピースを失った悲しみでしょうか。
既にアメリカという国家ができてしまい、土地に対して所有という概念が法的に当たり前の現在。セトラーの子孫で、もう何代にもわたり住んでいる家もあり、その人たちにとってはヨーロッパはホームではなく、やはり今のアメリカがホームです。
ランドバック運動が今後どうなっていくのか、そういうことも気になります。というか少し不安。
話がそれましたが・・・
何か映画を見たいなとおもっている方、
色々と、頭にべったりと残る映画です。
軽めなムービーナイトには向きません。重いです。
色々複雑な気持ちはありますが
私は色々なきっかけになったかなと
ポジティブにとらえようと思いいます。
・・・気持ちがまとまり切ってませんが。
三時間半、上映側が休憩を設けることは製作者側の意図で許されていないそうですので
覚悟して、是非観てみてください。(後半ちょこちょこ席を立つ方がいました)
私は意外と、三時間半には感じませんでした。
そう思うと、よくできていた映画。テンポはとてもよかったです。
↓とはいえ、こういう記事をみると、うーんと考えてしまいます。
"オイルマネーに乗った白人はすっかりFairfaxを離れ(20世紀に多くのアメリカの工業都市で起こったように)、今ではOsageの貧困率はアメリカでも深刻だそうだ。
今回の映画の撮影に際して、Fairfaxや周辺の街だけでなくOsageもディカプリオや多くの関係者、アップル(アップルの映画)から恩恵を受けた。ーーーでも、いったい彼らの本当の、コミュニティに対する借りとは何だろう?
映画が完成した今、彼らはOsageを、100年前と同じように、利用しつくして去っていった。 (↓の記事からの抜粋)"
先住民のテーマの映画(ドキュメンタリー調が多い)やテレビシリーズも増えてきている。
OKといえば"Reservation Dog"もよかったです。
NY先住民 (ホディンソーニ) だと、Haudenosaunee Canoe Journeyもパブリックビューイングで見て、よかったけどなかなかそれ以外だとみるオプションがなくて残念。
Killers ~のLily Gladstoneが出演している Fancy Dance はまさにCayuga (Gayogoho:no) の映画の内容なんだけど、こちらもディストリビューションがなかなか・・・
(何度かローカルのイベントがあったのですが、行けず、見られていません)
今回のKillers of the Flower Moonのつながりで、Fancy Danceも映画館で再上映されるといいな・・・なんて思っています。イサカやNYならできそう。
コーネルシネマとかやってくれないかしら・・・
そうそう
アメリカでもようやく『君たちはどう生きるか』が12/8に一般公開スタート。
予告編が流れました。楽しみ。
今日もここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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