Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

トニ・モリソンと平野啓一郎/先住民の言葉

こんにちは
 
もうすぐThanksgivingですね。
仕事も休みだし、フリーランスのほうもこの期間はセーブしたのでゆっくりしたいなーと思っています。
 
まるで読んだ本や映画のまとめのようなブログになりつつありますが(笑)
今回はこの二冊
"Recitatif by Toni Morrison"
"マチネの終わりに by 平野啓一郎"

 

 
トニ・モリソンは名前だけは知っていたのですが、初めて読みました(オーディオブックなのでききましたというべきか)
これはモリソンの作品の中でも唯一の短編(The New Yorkerに寄稿した超短編を除くと)で、モリソンの実験的な試みがされています。
それは、登場人物(主に二人の女の子/女性: トワイラとロバータ)から人種のコードをすべて除くということ。
しっかり分析?したくて、結局文章も手元にあります(オーディオブックは大好きなんですが、紙やデジタル本のようにハイライトできないのが唯一の弱点とおもう)。
感想はそのあとでじっくり書きたいけど、この最近(?)出版されたバージョンにはゼイディスミスのながーーーーーい解説付き。
というか、本編と同じくらいかより長いかもしれません(笑)
オーディオで先にこの解説パートだったので、はじめは聞き流していたんですが
本編を聞き終わった後、もう一度聞きました。
どっちの名前が白人/黒人っぽい?
このお母さんの行動は白人/黒人っぽい?
この街にすんでIBMの高所得なダンナをゲットするのは白人/黒人っぽい?
マギーは黒人だった?でもそうだったらどうして覚えていない?
そんな感じで、色々なキーがあるけど、わからない。
Tony Morrisonの唯一の短編。
詳しい感想は後で。

“an experiment in the removal of all racial codes from a narrative about two characters of different races for whom racial identity is crucial.”
 
ちなみにトニ・モリソンは修士をコーネル大学で取得、客員教授も務めたそうです。
他の作品も読んでみたい。
普通スピードで2h、速度を変えればより早くきけます(これはオーディオブックのいいところ)。が、気になってもう一回!となるの必至です(笑)
 
二作目の"マチネの終わりに"は日本で何年か前にブーム?(映画化もされた)となった作品で
私は今までなんとも気にならなかったのですが
急に、気になってしまい、一時帰国中にブックオフで凄く呼ばれている感じがして手に取りました。
船便で送ったんですが、突然すぐによみたくなり、Kindleで購入(笑)
 
・・・今読み終わって数日たってますが
頭から離れません・・・
自分史上最長の感想を書きました(書きたいことかき切れていない)
かなり考察というかネタバレもあるので、これから読みたい方はお勧めしません。
大人の恋愛というジャンルのようですが、全然それだけでないです。
 
以下、ブクログの私のレビューにとびます。
(すみません、最初の投稿時に設定を間違えていてアマゾンに飛んでいました。修正しました)
この感想、とてつもなく長いです。そしてネタバレを含みます。

この本は知っていたけど読んでいなかった。

ある出来事があり、いまだその感覚に浸っているときにたまたま見かけ
今までにないくらい強くひかれて「今すぐに読まなくてはいけない」という気持ちに駆られた。
人との出会いも運命的な時があるけど、本もそう。
それとも、無意識にアンテナや感度が変わって、そういうフィルターを抜けて届くのかな。


結果。
私は凄く好き、とてもドキドキした(恋愛小説のドキドキではなく、動悸に近い)。
この本の深い好みは、共鳴できるかどうかな気がする。
ただ、二人の関係に共鳴できなくても、それをカバーするほどの他の素因がまわりにちりばめられていて、色々な背景の読者に支持されるのではないか。
あとは、これを二十代前半に読んでいたらここまで理解?できなかった、したくなかったと思う。
文章も日本語がとても美しい。(・・・つづきはブクログで)
 
出てくる音楽が聴きたくなります。

 
最近色々とより多くの先住民の方の話を直接聞いたり、色々読んだりして
言語とはだれのものなのか
なぜ、その言葉を学ぶのか
そういうことについて考えることが多いです。
 
ネイティブアメリカンや、先住民の言葉というのは
英語や中国語など世界で広く話されている言葉とは性質が異なります
 
私は先住民の言葉や文化を学ぶことで
日本と日本の先住民のことをもっと知りたい、とおもうようになったし
今住む土地について、そこに住むということ、その未来について考えるようになったし
アメリカというのは本当に複雑な国で
それをやっぱり自分はもっと知りたいし、知らないといけないと思ったし、
特にニューヨークのこのエリアに関して学びたい。
 
ただ、先住民の言語について
表面をかすった程度で、別に言語を学ぶという視点で書くつもりはないけど
言葉を発信するのも、それはいいことなのかな?
と、不安になることもあります。
 
先住民の中には、言葉はその部族のものと考える人も少なくない。
私の接点のある方たちは、わりと非ネイティブが、その土地のネイティブの言葉を学ぶことにポジティブな人が多いとおもうけど
これは私が意識しているよりも、とてもセンシティブなことでした。
 
細かいことは書いていないのですが
とりあえず、いったん、広く知られている単語(そしてひろく知られるべき単語)を除いて、日本語の意味以外は過去の記事を修正しようと思いました。
日本語の意味をのこすのは、それにより直接的にextractivismにはつながらないと感じるためです。
 
私は、非ネイティブとして、非ネイティブが住む土地ネイティブの言葉をリスペクトして学ぶことはとても意義の大きいことだと思う。
コミュニティのニーズも大きい。
ただ、それはあくまで非ネイティブの意見。
どうやったら先住民ファーストのスタンスを取りつつ、ローカルのコミュニティも一緒に何かできるんだろう。
 
なんて。
 
それにしても、この辺りは結構いろーんなほんとうに良い資料(本や文献やウェブサイトやら)をたくさんシェアしてもらったり、自分でもブックセールで沢山本を持っているんだけど
英語だし背景的にも難しいしで、一苦労です。
サイエンスも英語だし、ほんとアンフェアよねー。
日本語だったら10倍くらいは読めるな・・・。もっとかな・・・

 

今日もここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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