Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

ミソフォニアって知ってますか?

こんにちは。

アメリカではまだ10日なのですが、日本はもう11日なのですね。

 

3.11から10年。

 

長いようであっという間。

前も書いたのですが、今でも当日とそれから数日間のことを鮮明に思い出します。

 

福島・東北の一刻も早い本当の復興と、

被災された方・ご家族が少しでもより心穏やに過ごせる生活に戻れますよう

お祈り申し上げます。

 

また、3.11は日本だけでなく世界に大きな衝撃を与えました

特に地震の多く、海に面している国は日本から学んでほしいです

原発に頼っている国は、日本も含め、もう一度見直してほしいです

 

 

 ***

 今日はミソフォニアについてです。

私は昔から特定の音に過敏だったんですが、大学院ごろからかなり悪化して、最近上の階に住むハウスメイトと少しトラブルになってしまいました。 

 

【ミソフォニアとは】

ミソフォニアとは、特定の音に対して強い嫌悪感を感じてしまう症状のことです。

ja.wikipedia.org

診断基準はなく、それゆえに本人も周りもつらい思いをすることが多いです。

診断がはっきりとつかない、鬱などもそうですが、というのは結構微妙なところで、今後もっと研究などが進んではっきりするといいなと思います。

というのも、やはり自分の性格とかのせいではない、と、思える拠り所が欲しいからです。

 

 

私は割と小さいころから他人の咳や人から断続的に出る音に強い嫌悪感を感じていました。小さい頃は、多分咳だけに反応していたように思います。凄く嫌いでした。ただ、そのころはその音から逃げたい、またはその音が早く消えてほしいと思う程度でした。

高校くらいから咳やおじさんの咳払いやくちゃくちゃする音に対する嫌悪感が一気に増加しました。嫌悪感というか憎悪に近く、カっとなってかなりつらいです。

 

また、この状態の時はもうパニック・興奮状態で、冷静に何も考えられないし、なにも手につきません。イライラでドキドキするし、涙が出そうになります。

 

最近までは、みんな同じくらい嫌悪感を感じたり、イライラするのだと思っていました。しかし、気になって何人かに聞いたときに、そんなに気にならないといわれたことで自分が違うのだと気づきました。

 

気になってネットで検索すると、このミソフォニアに行き当たり、読めば読むほど当てはまるので、今は自分はそうなのだろうなと思っています

 

因みに私はかなりがさつでマイペースですし、割とおおらかな性格なのですが、音に関しては豹変します・・・

 

【私が嫌悪感を強く感じる音】

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人によって多少異なるようですが、共通していることも多いようです。以下は私の例ですが、もし周りにこのような音に辟易している友人やパートナー、家族がいたら、「もしかしたら」と思うきっかけになってほしいです。

 

下にも書きますが、ミソフォニアでない人に理解は求めません

そうでない人には理不尽なのはわかっています。ただ、知っておいてほしいんです。

 

- 咳

これは、ダントツで一番無理です。ただ、私も風邪を引けば咳が出ますし、アレルギーの季節は咳喘息のようになります。また、誰も好きでしてるのではなく、苦しいのは重々承知しています。でも、だめなんです。そして、咳をしている人を気遣いたいのに、それ以上に音が嫌いすぎて苦しすぎて、そんな自分に嫌悪感すら感じます。イライラと悲しさでつらいです。

 

- 口を開けての咀嚼音

これはミソフォニア関係なく嫌われている音でしょうが、もしかしたら嫌悪の度合いが違うかもしれません。楽しいはずの食事が、この音が入るだけで苦痛。

逃げ出せないし、かといって相手になんて伝えられない。家族だったらいいますが、家族ですら言いたくないこと、他人になんて絶対言えません

 

- 口笛、歯の隙間で出す音

ハッキリとした上手で安定した音の口笛はまだいいんですけど、歯の隙間からのものは特に私の夫のだす音はかすかで不安定で、さらに同じ旋律を繰り返し繰り返すので、もう嫌悪感しかないです (繰り返し音や短い旋律の繰り返しは特に不快です)。

私の母は口笛が嫌いで、私が小さいころにはいつも「口笛ふくとオオカミが来てたべられるよ」と言われました (世代???)。なので余計口笛に対して免疫がないです・・・

 

【夫婦でもミソフォニアを「理解」してもらうのは無理】

誰でも他人と一つ屋根の下で暮らすのは、お互いに「簡単」なことではないと思います。だって・・・他人だもん。

大抵のことは「お互い様」とおもって目をつぶれるのですが、私にはもうどうしようもなく耐えられなあいこと・・・それが「(いくつかの特定の) 音」です。

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私の夫は食べるときに意識しないと口を開けて噛む癖があります。いわゆるクチャラー(死語??) です。特に、歯ごたえがいいものやchewyなものの時 (いうまでもなく、最悪です) にやります。これは多分少なくとも日本人のほとんどが不快に感じると思うのですが・・・。それに加えて、よく口笛というか歯の隙間で音を鳴らすんですね。

 

この音が本当に不快。

  

一度本当に耐えかねて、

「ねぇ、ミソフォニアってしってる?」

と切り出して、私が彼の出すいくつかの音を本当に不快に思っている (自分で怒りをコントロールできない) ことを伝えました。私の言い方も悪かったかもしれないし、虫の居所が悪かったのか彼も気を悪くし、逆ギレ状態。

 

挙句、

「(私が夫のことを) あんまり愛してないから、自分の出す音にけちつけてるんじゃないの? ていうかそんなわがままいってたら誰とも生きてけないし、コミュニケーションできないよ?」

とまで言われて、唖然かつショックでした。

 

私の夫は良い人なんですが、外で多分かなり気をつかってるのか、たまに小さなことでキレることがあります。(最近はハイハイとスルーしたり、Oh my tiny baby, what's wrong with you~などとお道化てみたりする術を身を付けましたが、当初は離婚の文字が浮かびましたw)

 

本人的には、

ここは自分の家で、自分の家の中でやりたいことをやれないのは嫌だ。コントロールされているみたいだ。

とのことでした。

それはごもっともで、そこは申し訳ないと思う。

 

 

でも、食事中の音は譲れない。

 

 

平行線をたどる話し合いのなかで何度も言われたのが

「I can't understand that」

 

・・・ん?

私は、私にとってこれらの音が愛をも意味をなさないほどの憎悪でしかないこと、相手が誰であろうと同様に感じることを「知ってほしい」だけで、「理解してほしい」なんて思ってないんだけど。

 

というか、わからないと思います、そうじゃない人には

 

そう思って

「私は理解してなんて最初から言ってないよ、この音やこの音は本当にもう頭おかしくなるくらい嫌いだから、それを知って、なるべく気を付けてほしいって言ってるんだよ」

と腰を低めに言いました。

 

 

 

何が言いたいかというと

最初から期待はしていなかったんですが「理解」を得るのはほぼ無理です

血のつながった親子なら可能性はありますが、夫婦なんてしょせん他人なので、本当の理解は難しいと思います。

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とはいえ、切り出す前はかなり悩みました

 

でも正直

「ごめんね、そこまで嫌な音だとは思っていなかったよ、これから気を付けるね」

くらいの対応をしてくれると思っていた、というかその一言だけでよかったので、大分がっかり、かつ軽薄な気持ちになりました。虫が悪かったのかもしれませんが、私だったらそういえるけど、、。

 

 

今はクチャラーについてはなるべく気を付けてくれてますが、結構話しながら食べるので、最近は視線で殺してます。口で言って蒸す返すのは面倒なので。

 

義父母や兄弟はそんなことないので、なんでそう育ってしまったのか謎。

アメリカ人は気にならないんだろうか??

 

 

日本だと口に何か入っているときには、話さない

って幼稚園や小学校で習うけど、やっぱり他人への配慮の文化的なこと??

 

【自分も音を避ける努力をする】

とはいえ、自分も何とか回避するように気を付けています

例えば、常に耳栓を持ち歩いています。ただ、食事中や仕事によっては仕事中に耳栓をするのは難しいですよね。耳栓は万能ではないですし・・・

 

一番効果的なのは音楽などを聴いて完全に外の音が聞こえないようにすることなんですが、これもなかなか働いていると難しいですね・・・

 

研究所にいた時は、実験中はなんとか理性を保てたのですが、デスクワーク時にこのような状況になると本当につらかったです。可能な時は耳栓などにたよりましたが、難しい時は思い切って自分が場所を変えました (カフェテリアや共同スペースのデスクなど)

 

実験部屋によってホワイトノイズを使っていたのですが、これは落ち着きました。

ただ、個人の家でホワイトノイズはちょっと無理がありますね笑 

 

また、音のイライラに始まり、自己嫌悪まで来ることも少なくなく、かなりストレスです。なので、最近はイライラに効くとされるようなハーブティーなども気になっています。(パッションフラワー、バレリアン、カモミール、ミント、セントジョーンズワートなど。※セントジョーンズワートは一部の薬の代謝に影響を与えることが知られているので薬を飲んでいる人は注意)

 

同じような悩みをお持ちの方、何かいい対策があれば教えていただきたいです。

 

【私と上の住人とのトラブル】

音に関して先週ちょっとトラブルになりました。

 

私と夫は市内中心から10分ほど離れた二階建て一軒家の一階部分に住んでいます。上の階には博士学生の女の子 (+大型犬 +時々彼氏) が住んでいます。

 

私は都会しか経験していないので、ダウンタウンに近いところに住みたかったのですが、大きな大学があるためダウンタウン近くはかなりの確率で大学生が住んでいます

日本の大学生もなかなか羽目を外してる人も多いですが、アメリカや海外の大学生の多くはその比ではありません。フランスに住んでいるときは特に金曜土曜は朝までドンチャン騒ぎで、一度怒鳴り込み (脳内。実際は丁重にお願いしました 笑 日本人やな・・・) に行ったこともあります。

 

そういうわけで大学生の少ない地区で、普段は非常に穏やかに過ごしています。

(カレッジタウンを通ると、この決断は正しかったといつも思う。ありがとう夫。)

 

 

夏前ごろから、コロナの影響で二階の彼女も家にいるようになり、ワークアウトをするようになったんですね。まぁ勿論それ自体は何の問題もない。私もしますし。

 

ただ、

縄跳びでもしてんのか?というくらいのジャンプに加え、

ボーリングの球でも床に落としているんだろうか?というほどの何かが落ちる衝撃音が続くようになりました。

 

私もそのころ論文を書くので忙しかった、かつ、かなり集中したかったのでかなり耳障りでした。特に、繰り返し繰り返しの音なので一番不快なタイプ。耳栓をしても聞こえるし、一番有効なのは音楽なんですが、やはり論文を書いたり読んでいるときには集中できないので聞けません。

 

 

加えて、彼女の飼っている犬はアホなくらい吠える

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(文字通り、道を人や犬が通るたびに吠える。しかも、吠えるたびに足をbounceするので振動がやばい。繰り返しますが大型犬です。)

私は動物が大好きですが、あの犬のせいで最近犬があまり好きではなくなりました。それくらいひどいのです。最近は私だけでなく夫もstupid dogと呼ぶようになりました。

 

 

数カ月耐えに耐えましたが、さすがに堪忍袋の緒が切れて、去年の秋ごろに「少し下の階のことを考えてほしい、特にこの時間帯は仕事をしているのでやめてほしい」等の内容の手紙を書きました (かなり抑えて丁寧に書いた。この時は犬のことやテレビの音、夜の洗濯などはもしかしたらお互い様だし仕方ないかと思い書きませんでした)。

 

 

その後、ワークアウトについてはかなり改善され、CornellがThanksgivingから冬休みを前倒ししたのもあって年明けまでは実家に帰ったようで静かな幸せな時間でした。

言いたくなかったけど、伝えてよかったと思っていました

 

 

結局Cornellの二月の再開で戻ってきたんですが、

 

 

なんと最近発声練習を始めるようになったんですね・・・

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こんなかわいい声ならいいけど

(オペラをやり始めたらしく、その発声練習です・・・)

そして年が明けて私の2020年のお願いはまるで白紙に戻ったといわんばかりにはねる系のワークアウト再開・・・

相変わらず犬は吠えまくる・・・

そして深夜の洗濯や大音量のテレビの音・・・

 

 

・・・は?

 

 

先週の金曜日ついにキレてしまいました

 

その週、ちょうどポスドクの仕事の一つの論文のリバイス期限で私やPIやもう一人のポスドクとかなりやり取りをして、疲れていたんですが、そんな時始まったんです、発声練習が。

 

これ、私にとってかなり不快な音のパターンで、音の繰り返しなんですよね。最悪のパターンなんです。考えただけでああああーってなる・・・

 

しかもこんな時に限って、いくつか持っている耳栓もなぜか見つからなくて、イライラのパニック状態

 

 

流石にあまりに長い時間やっていて、家のどこの部屋にいてもうるさくて、怒りが沸点に達してしまったので、我が家のドアの一つを思いっきり何度も殴るけるして発散しようとしました (冷静な時だとちょっと引くけど、不快音でのパニック状態の時はもうどうしようもないんです・・・)

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勿論個人、しかも他人、の自由を制限したくないです

自分の家でやりたいことをやる、普通のことです、・・・しかも、他人

でもね、

公共の福祉も大事なんだよ・・・

 

 

15分後くらいに夫が帰ってきたので、もう音に耐えられないから外に出ようといって家を出ました 。

 

 

その次の日、玄関の前に手紙があり

「あなたの行動はaggressiveで、私はオペラの練習をしなくてはいけなくて、zoomで先生と練習していたのにとてもdistractされた、云云・・・」などと長々と書いてあったんです。

 

 

(確かにaggressiveだったことは自覚してるけど・・・)

・・・え、お前が言う('Д')???

私はもう数カ月間distractedなんだが???

と、かなり不快になりました。

 

 

夫も手紙を見て、なにしたの?と聞かれて

「耐えられなくてドアを蹴りまくった」

といったら

「サンドバッグあるのに・・・」と言われました (そこ?)。

 

 

夫は上記の通り私がかなり音に敏感なのを知っていて、最近は前よりも理解してくれていて、かつ彼女の音に我慢し続けているのを知っているので、「確かに最近の発声練習はちょっとラインを超えている」と同意してくれました。

 

 

正直、アメリカ人って私からすると、かなりその辺の許容範囲が広い (我慢は苦手だけど, そもそも許容範囲が広いというイメージ) ので、アメリカ人である夫にとっても「やりすぎ」だと感じられるとは思っておらず、少しおどろきました。

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Anita S.によるPixabayからの画像

 

「アメリカ人にとっては何でもないレベルだと思ったよ」というと

「いやオペラ系の発声練習は流石にアウトだろ、これはアメリカ人とか関係なく普通に文句言うよ。普段から犬もテレビもうるさいし」

だって。

 

 

でも、夫はあまり直接巻き添えを食いたくないようで、「(私が) 彼女に伝えるべきだね」というだけ。わかっとるわ。

 

 

でも私は今回の件では私からI'm sorryとは絶対言いたくない

そもそも、去年手紙を書いたとき、その一言もなかったのだ。

 

アメリカでは I'm sorryを言う=自分の非を認める という部分があるので、簡単には使いません。(お気の毒にという意味ではもちろんよく使いますし、アメリカではそうであっても私個人普段はやっぱり自分から謝るほうがスムーズなので、普段は自分から言うようにしていますが)

 

今回は気を使って抑えて書かずに、素直に思っていることを書こうと思います。

(書いては消し、書いては消しでなんと二日間悩みぬき、今日ついに玄関先に置きました。夫にはこんな小さなことを大ごとにするなと言われ、「私は大ごとにしたいわけではない」「言いたいことは言いたいが、感情的になって相手を気付付けるような書き方はしたくない」「騒音は日中家にずっといる私にとって、音過敏な私にとって決して小さいことではない」と、言い返しました。そして、結局最初の下書きからはずいぶんとトーンの下がったものになったのでした・・・) 

 

 

完全に分かれているとはいえ、家をシェアしているので一応関係をあまり悪くしたくないので、うまく落ち着くといいけど。

ただ、リサイクルの出し方とかもすごく汚いし、back yardが犬のふんだらけなのを見てしまったので、眉を顰める所は多い・・・

 

 

リース、更新するのかなぁ・・・早く卒業して実家戻るか彼のところいってほしいなぁ。

私たちも家を購入出来たら最高なんですが、すぐ今年には無理なので。

 

 

隣人は本当に大事ですよね。

特に音問題は辛いです。

 

 

とりあえず、未だに耳栓が見つからないのでwalgreenでとりあえずのものを買いました。NRR32 (高いほど効果高いらしい。amazonで見た感じ、33が最高レベル?)。

Walgreenでボトルに50個くらい入っているのが売っていて、ちょっと笑ってしまった。たしかに、耳栓ってすぐどっか行っちゃうのよね・・・

 

 

 

半分以上愚痴のような感じになってしまったかもしれませんが、、、

繰り返しますが、そうではない人には分からないと思います。

なんでそんな小さなことで、と思われても仕方ないと思います。

ただ、耳栓や対処法でふさぎきれずに、パニック状態になってしまうと本当につらいんです。

 

一日も早く研究が進んでメカニズムや対処法が少しでも明らかになってほしい・・・せめて診断がついてほしい・・・そう思います。

 

 

 

今回もここまで読んでいただいてありがとうございました。

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