Seneca Falls: アメリカ女性参政権の礎
こんにちは
今回は先日の森さんの発言や、コロナ関連ですが女性としてとても悲しいニュースをみたこと、St. Valentine's Dayも近いので男女について記事をいくつか書きたいなと思っていたこと、Finger Lakes Regionについての記事も増やしたいと思っていたことなどから、アメリカが男女平等へ向かう際の大きなmilestoneとなったSeneca Falls Conventionについての記事を読み、英語を学びながらシェアしたいと思います。
私は高校生の頃から「政治」が苦手でした。でも、特に海外に暮らすようになってから、そんな自分を恥ずかしく思うし、きちんと知りたいと思うようになりました。
そんな政治音痴(?)な私の以下の文章には間違いもあるかもしれません。気を付けてはいますが、もし史実・事実と異なることがあった場合コメントいただけると嬉しいです。
森さんの発言についての記事 (アメリカ) はこちらをどうぞ
フランス語版はこちらをどうぞ
【Seneca Falls】
Seneca FallsはFinger Lakes地域のCayuga LakeとSeneca Lekeの間に位置する街です。間と言ってもCayuga Lakeのほうが位置的には近いです。Erie Canalの支運河Cayuga=Seneca Canalが街を流れています。このあたりのCayuga湖畔沿い (route 89) はワイナリーも近く、湖へのプライベートドックを有している大きな家も多くあります。近くの比較的大きな都市はSeneca Lake北端のGenevaです。また、Seneca Fallsを北に進むとLake Ontarioにつきます。Lake Ontario湖畔のとても独特な地形が印象的で美しいChimney Bluffs State Parkは素敵なビーチがあって地元の人にも大人気。とてもお勧めです。
【Seneca Falls Convention in 1848】
今回、以下のサイトを基に学んでいきたいと思います。
Elizabeth Cady StantonとLucretia Mottは、1840年にLondonで開催されていたthe World Anti-Slavery Conventionにそれぞれ夫婦参加した際に初めて知り合いました。その会合で、女性代表者が女性であるという理由のみで排除されていたのを目の当たりにした二人は、「女性の権利」についての会合を企画することを決意します。
【記事本文から学ぶ英語表現】
以下英語単語・表現をいつものように脱線しつつ学んでいきます。タイトルは記事のものと対応していますので、気になる部分だけでもさっと読めます :)
What Was the Seneca Falls Convention?
"the meeting launched the women’s suffrage movement"
⇒ suffrage
参政権 (= franchise)、選挙権 (right to vote)
" such disgraceful laws as give man the power to chastise"
⇒ chastise
懲らしめる、懲罰する
"All passed unanimously except for the ninth resolution, which demanded the right to vote for women"
⇒ unanimously
全会一致で、満場一致で
参政権/選挙権だけは、すぐには認められず、長い道のりがかかったんですね。
Seneca Falls Convention Organizers
"abolitionist"
奴隷制度廃止論者
abolishには廃止するという意味がありますが、abolition (廃止) に「~主義の」といういみの-istが付くだけで、奴隷制度の廃止論者ということになるんですね。
"a Quaker preacher"
⇒ Quaker preacher
クエーカーの説教者。クエーカーはキリスト教プロテスタントの一派であるキリスト友会 (Religious Society of Friends) に対する呼び名だそうです。都内に普連土女子というキリスト友会系の名前の女子校もありますね。都内私立女子校は結構キリスト教系は少なくないですよね。
私は幼稚園がキリスト教系でした。といっても、両親も私も無宗教なのですが笑。殆ど記憶はないんですが、ご飯の時に「アーメン」と言っていたような気がします。
"temperance"
禁酒、節制 (=moderation)
tempero, temperare, temperavi, temperatus (控えめにする、中程度の、ほどほどの) という意味のラテン語から派生した単語の一つのようです。他にはtemper (短気, bad temper ⇒ King of the Hill S1E1) やtemperatureなども同じ語源なんですね。
"women’s rights reformers had already begun contending for women’s rights to speak out on moral and political issues beginning in the 1830s"
⇒ contend
主張する、戦う、争う
主張するという単語を見ると、insistやassertなども頭に浮かびました。端的に言うと、contendは"con"という「反対」を表す接頭語からなるように、何かに反対する形で主張するというニュアンスがあるようです。insistは頑固に言い張るというようなイメージもあります。
また、こちらに非常にわかりやすい解説もありましたのでリンクさせていただきます!
Declaration of Sentiments
"that described women’s grievances and demands"
⇒ grievances
(不当な扱いを受けたことによる) 不平、不満、怒り、苦情
grief (悲しみ) も、ラテン語gravis (重い) を語源とします。grave (英語では墓、重いなどの意味/フランス語では大したこと、重要なことの意味) も同じ語源。フランス人は口癖のように"C'est pas grave!! (大したことじゃない/いいえ、大したことではありません)" と言って、大抵のことはいつも笑って対処していました。
"“We hold these truths to be self-evident; that all men and women are created equal,” the document stated. Inspired by the Declaration of Independence,"
こちらはThomas Jeffersonの有名なセリフですね。恥ずかしながら、この文章の英語版 (つまり本当のセリフ) は出川イングリッシュで初めて知りました。
いつも思うんですが、出川さんの英語で躊躇わずに話す姿勢は勇気が出ます。テレビを成り立たせるっていうのもあると思うけど、私は好きです。
まさかこの記事で出川さんを引用するとは自分でも想像してませんでした笑
The declaration began with 19 “abuses and usurpations” that were destined to destroy a woman’s “confidence in her own powers, to lessen her self-respect, and to make her willing to lead a dependent and abject life.”
⇒ usurpations
権利侵害、不法使用、横領、(王権の) 剥奪。動詞はusurp
これ、日常ではなかなか聞かないかなと思ったんですがどうでしょう。時事やこういう読み物の記事を読むと、語彙力がまだまだだなと本当に痛感します。
⇒ abject
みじめな、あさましい、悲惨な、絶望的な、ひどい
ab (離れた) + ject (投げる) から来ているようです。フランス語で投げるはjeter。reject, inject, projectもおなじ「ject」ですね。
The Resolutions
"the ninth resolution went on to become the cornerstone of the women’s suffrage movement"
⇒ cornerstone
基礎、土台、肝心なもの.
ちなみに、この文章でのresolutionは決議という意味になります。
Reactions to the Seneca Falls Convention
"While skeptical of giving women the right to vote"
⇒ skeptical
懐疑的な。COVIDのワクチンの効果の発表があったころ、よく"Are you skeptical about the vaccine ?"という会話をしました。懐疑論者のことをskepticと言います。
The Fight for Women’s Rights
“employ agents, circulate tracts, petition the State and national Legislatures, and endeavor to enlist the pulpit and the press in our behalf.”
⇒ Legislatures
立法府、議会
"all American women finally achieved the same rights as men at the polling box"
⇒ polling box
こちらも2020にはアメリカで嫌なほど耳にした言葉ですね。pollは投票、polling box/placeで投票所のこと。
いかがでしたでしょうか。
いつか機会があればSeneca Fallsの記念公園などにも行ってみたいなと思います。
Seneca FallsやFinger Lakes一帯はネイティブインディアンのCayuga nationとSeneca nationの土地でもありました。その歴史についても今後学んでいきたいと思います。
因みに、記事中にもあるように、アメリカ合衆国での女性参政権の獲得は1920年でした。去年 (2020年) はそれから100周年ということで、新聞でもいくつか記事を見た記憶があります。
普通選挙法が選定された1925年は大正デモクラシーとうたいつつも男性のみ。日本は憲法で定められたのが1945年ですので、国内で男性に比べて20年、アメリカの女性参政権に比べて25年の遅れがありました。現在、日本とアメリカおよび他の先進国の多くにある差は25年でしょうか。それとももっと大きな差なのでしょうか・・・
以下のリンクやこちらのGoogle検索結果ページにも女性の権利についての活動や、100周年を記念しての記事が多くありますので、興味のある方は是非そちらもどうぞ。
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