こんにちは。
今回はThe King of the HillのS1E1から英語や背景文化を学んでいきたいと思います。軽くチェックしてからアニメを観ると、より面白くみられると思います。勿論見終わった後の英語復習にも!
登場人物についてはこちらのページをどうぞ
【エピソードのテーマ】
Strickland propane salesman and family man, Hank Hill, is accused of beating his son, Bobby, after Bobby gets a black eye from getting hit in the face with a baseball during a Little League game and rumors spread that Hank beat up a teenaged Megalo-Mart employee (when really he just yelled at him for not knowing if the store sells a tap and die and some WD-40). Meanwhile, Hank's friends, conspiracy nut Dale Gribble, down-and-out Army barber Bill Dauterive, and fast-talking womanizer Jeff Boomhauer, try to fix Hank's truck, while Luanne Platter (Hank's niece) moves in with the Hills after her parents get sent to jail over a domestic disturbance. The episode is also known as "Bobby the Baseball Phenom".
児童虐待、時事ネタ、テキサス、親子愛
虐待と言っても、勘違いの重なりから生まれたコミカルな感じです。かなり笑えるポイントが多くて好きなエピソードの一つです。最後はほっこりします :)
【S1E1から学ぶ英語表現】
引用したセリフと単語・表現は太字にしました。ただし、汎用性がなく、アニメ内での表現や商品名については太字を避けました。
【いつもの4人でダベりながらHankのトラックの不調を見ているシーン】
King of The Hill! Pilot - Part 1 Season 1 Episode 1 (English Episodes)
(Hank) "I'll tell you what. My track really needs leadership. Detroit hasn't felt any real pride since George Bush went to Japan and vomited on the auto executives."
⇒ パパブッシュが日本を訪れた際 (1992) に実際に起こった事件らしいです。 Detroitのくだりは色々調べてみたんですがわかりませんでした。ご存じの方は是非教えていただけると嬉しいです!
Newsweek日本版でのパックンのコラムは、トランプ元大統領が再選を果たせなかった今、なんとも味わい深く興味深かったです。
【Mega Lo Martにて】
(Hank) "I'm Looking for a tap & die and some WD-40"
⇒Tap & die
工具セット (そのあたりあまり良くわからないので具体性ゼロですみません)
⇒WD-40
アメリカでは有名な商品の名前みたいです。日本でも主に自転車のケア用品として売られているようです。それ以外にも色々と使えるようで、以下のようなページも見つけました。
Hank Hill proves WD40 is the answer to all problems.
この15秒がすべてを語っている・・・
Hankはこの会話の数秒前に「Where's the hardware department?」と店員 (Buckley: Luanneの彼氏) に聞いています。アメリカでWD-40やtap&dieが見つからなかったら使えるフレーズ。
【目にボールが当たって青あざができたBobbyを見た他の客のセリフ】
"Who gave his boy that black eye"
⇒ black eye
目の周りの青あざ。
アジア人の黒い眼の色はblackではなく、brown eyeと言います。Color of my eyes is blackという形ではblackといっても大丈夫です。
【Bobbyが虐待を受けているのではとの匿名電話を受けた施設スタッフのセリフ】
"we can't take custody of the boy without an interview"
⇒ custody
親権。関連で虐待はabuseです。abuseには薬物などの乱用という意味もあります。
私は80年代後半生まれですが、私の世代だと日本では親に怒られた際に平手打ちなんて珍しくはなく、私もたまに母に叩かれていました。自分が悪いことをしたから、仕方ないと納得していたので何とも、まして虐待だなんて一瞬も思わなかったです。国民的なアニメやドラマでも珍しいシーンではなかったと思います。ただ、学校での体罰は完全にアウトな時代でした。
2020年代現在、日本がどれほど厳しいのかわからないのですが、アメリカは (児童) 虐待について非常にセンシティブかつ非常に厳しいです。しつけと思って叩くのはアウトです。アメリカやフランスではどんなに小さい子でも、なぜいけないのか、親が淡々と諭す場面を何度も見ました。
・・・まぁ本エピソードではもちろんBobbyは虐待を受けておらず、いろいろなタイミングが重なっていてそれがとても面白いのです。
【HankとDaleの会話シーン】
Dale Gribble on Global Warming
(Dale) "They're just an egghead goverment plot. (...) I'll say let the world warm up, see what boutros boutros golly golly thinks about that."
⇒ egghead
インテリ。
”○○head”という表現はいくつかあります。先日小津監督の「お茶漬けの味 (The Flavor of Green Tea over Rice)」を観ていたら、「あの人鈍いのよ」という部分で「He is bonehead」と翻訳されていました。Boneheadは頭がかたい、ばか、まぬけなどの意味がありますが、「鈍い」にも使えるんですね。同じような意味でthick-headedとか、insensitive (感情などに対してのニュアンス) も使えるようです。
⇒ plot
陰謀。悪い計画。悪だくみ。government plotで政府の陰謀
普通の日常会話で使われるときは「what is the plot of the book/movie?」などのようにあらすじ、筋書という意味合いが多いのでこの意味は知りませんでした。「データをplotする」でグラフにするなどという意味で日本語でも使いますね。
⇒boutros boutrous golly golly
これは正直全く見当もつかなかったのですが、
それもそのはず(?)で、人名から来てるんですね。Boutros Boutros-Ghaliは1992-1996に国連事務総長を務めたエジプト人。Daleは地球温暖化は政府の陰謀で、Boutros-Ghali氏への嫌がらせとして温暖化をつづけようぜ的なことをHankに言っています。
(Hank) "Dale, you giblet-head"
⇒ giblet-head
また○○headですね笑。アニメ内では単純にDaleへのあだ名 (というかなんというか) として何度か出てきます。
Gibletsというのはもともと鳥 (主にチキンとターキー) などの「肉ではない」部分、つまり内臓 (臓物、モツ) や首などをひっくるめて指します。そこから派生しておまけや付属品の意味もあるようです。
つまり、頭の中に脳みそではなくて臓物 (やガラクタ?) が詰まっているというようなニュアンスでしょうか??
(Hank) Where's that thumping sound coming from ?
⇒ thumping sound
アメリカ人と付き合うようになってから気づいたのが、英語も意外と音や感触からくる形容詞が多いこと。意外と、というのは、よく日本語はオノマトペが豊富とか日本人は色々な音が聞こえる、とか聞いたことがあったので、英語にはあまりないのかと思っていたんです。
thumping soundというのはゴツゴツ、ドシドシ、ドクドク、どきどき、などという打つような音 (thumpは何かを打って音を出す、強く殴るという意味の動詞、または鈍い・重いものがぶつかったときの擬音語)。頭がドクドク、ずきずきと痛むときもthumpingを使えるようです。
エピソード中では、Bobbyが部屋の中でソフトボールを投げて壁などに当たっている音が断続的にしていたのに対して、Hankがit drives me crazy!と苛立ちを表しています。
【職員 (Social worker) との面談のシーン】
(Social worker) "(...) a bad temper ?"
⇒ bad temper
短気。他にもill temperなども同義です。
temperは気性のことで、lose one's temperでキレるという意味になります。この職員とのやり取りのシーンが完全にコントで面白いです。
子供の数について聞かれた際、Peggyが「Hankがnarrow urethra (二つの項目参照) だから・・・」と超個人的なことまで喋ってしまいます。それに対して、
(Hank) "(...) He didn't ask you about my glands"
⇒ glands
(分泌) 腺。ここでは性腺のことです。
(Hank) "(...) when I think of all my hard-earned tax dollers going to pay a bunch of little twig-boy bureaucrats like you (...)"
Hank's patriotic propane speech
何度見ても笑ってしまう名シーン・・・!
【Social workerが隣人たちに聞き込みをするシーン】
(Dale) "Bobby is his pride and joy...because of his narrow urethra"
⇒ narrow urethra
直訳は「狭い尿道」です。まぁ、、、そういうことです。
A curse upon mankind. Only known victim of this curse so far is Hank Hill.
Hank's narrow urethra made him take a minute longer to take a piss, and his chances of impregnating someone is extremely low.
【BobbyとJosephが聞き込みについて話しているシーン】
(Bobby) "And then some weirdo came over (...)"
⇒ weirdo
weird + do で「おかしなやつ、変な奴」という意味のスラング
(Joseph) "Yeah, he asked me if your dad ever whipped you"
⇒ whip
whipは実はいろいろな意味があるのですが、ここでは「鞭を打つ」ことから「体罰する」というような意味合いでいいと思います。
(Bobby) "He's all bark"
⇒ all bark
吠えているのがすべて→口でそう言っているだけ。all bark and no biteという使い方で「口先ばかりで行動はしない」という意味でも使われます。
【Social workerとその上司とのやり取り】
S.W. は決定的な虐待の証拠がなかったにもかかわらず、Bobbyを里親にだすことを強く推奨するとのレポートをまとめました。
(S.W.) "I mean the whole neighborhood was Redneck City. Did you see in the report, how he dented my Geo ?"
⇒ Readneck
アメリカ南部の人や田舎者を指すスラング。赤い首。日焼けをすると赤くなりますよね、そこから「長時間太陽の下で働く人」→教育よりも長時間肉体労働をしなければならなかった人→あまり教養のない人というニュアンスを持ちます。
親しくない人に言うと悪口ととらえられますが、親しい中では冗談で使えます。このエピソードではSocial workerがこのセリフを言った後、(テキサス出身と思われる)上司から「君はカリフォルニア (LAだったか?うろ覚えですが) から来たんだよね」という会話があります。よそ者、CA出身者から見下したように聞こえたのでしょう。この後彼はCAへ戻されます。
【LuanneがHankのトラックの不具合を直したことを伝えるシーン】
(Luanne) "It woldn't start at first, because of a clogged fuel line, but I blew it clean"
⇒ clogged
詰まっている。動詞はclog (= block, stuck, jam)。血栓はclotですが、血管などが詰まっていることをvessels are cloggedと言います。
【PeggyとBobbyの会話シーン】
(Peggy) "What on God's green earth are you making those noises for ?"
⇒ on (God's green) earth
強調の言葉。earthは強調したいとき、ちょっと大げさな感じの表現で度々使われます。
後ほど記事を書きますが、「Crossroads Cafe」のE23で"I thought you disappered off the face of the earth"という表現が出てきます。全く音信のなかった人との再会で、「地球からいなくなっちゃったのかと思ってた」というように大げさに言う時の表現です。
God'sも特にliteralな意味はないけれど強調として英語ではよく使われますよね。あまりそこの差はないような気もしますが、特にキリスト教の家系ではよく使われるのでしょうか。ちなみにHill家はキリスト教で日曜日には一家で教会に行っています。
【Hankが幼少期に父親にどのように育てられたかを回想して】
(Cotton) "I got my shins blowed off by a Japan man's machine gun !"
⇒ shin
すね。CottonはHankの父親で、veteranでWW2では日本と戦いました。度々登場しますが、相当ぶっ飛んでいるキャラクターです。軍人であったことを非常に誇りに思っています。
【HankがBobbyにどれだけ大切に思っているかを伝えようとするシーン】
(Hank) "Well...you know, with everything...that entails...ah...you know, feelings of fondness and more...You know what I mean, don't you boy ?"
⇒ entail
きたす、必然的に引き起こす (= cause, result, lead)
いかがでしたでしょうか。
スラングや時事背景などもあるので、私は1エピソードでも結構おなかいっぱいになりました !
最終的には全エピソード制覇したいですが、相当な数があるので特にお気に入りのものから記事を作ってシェア出来たらと思います。