Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

Library Services in the US/Libby/アメリカの図書館サービスが凄い

こんにちは。

 

今回はアメリカのPublic Libraryのサービスと、それと連携できるApp"Libby"がとても素晴らしいので書いてみます。NY州に限られたこともあるかもしれませんが、おそらく全米で同じような感じなのではないかと思います。

 

 

【アメリカで図書館を利用するには (COVID-19 Ver)】

基本的に居住者へのサービスが中心となりますが、閲覧などだけの場合は非居住も可能です。

非居住者の場合

(COVID-19下ではなかなかないと思いますが) 例えば仕事や旅行でアメリカを訪れた際などに図書館への出入り、閲覧は可能です。多くの場合図書館のWifiサービスにはID (図書館利用者カード) が必要となるため、wifiは使えません。パソコンの使用は (COVID-19で自治体により異なるかもしれませんが、私のいるTompkins Countyでは2021年1月時点で開館日限定で30分まで可能です。

 

居住者の場合

写真付きIDと住所が確認できる書類 (郵便物など) をもっていけばカードを発行してもらえます。発行料や使用料はゼロ (フランスでは年間使用量がありました。税金安くはないのでちょっとびっくりでした)。

Tompkins CountyではCOVID-19で図書館は最後の最後までなかなか再開が難しく、特別措置としてオンラインで登録し、番号発行 (メールで送ってくれる)→来られるときにIDをもって本カードを引き換えに行く、という措置が取られています。現在は図書館も週半分開館していますので勿論カウンターで登録もできますが、コンタクトを最小限にするためにもオンライン手続きは良いと思います。

 

そして、現在借りられる本は最大50冊/カード!!基本的に3週間の期限ですが、他に予約している人がいない場合、自動的にさらに3週間借りることができます。DVDについては期限は1週間ですが、こちらも他にホールドされていない場合は自動的に延長されます。返却は返却boxを利用しますが、その後72h (2021年9月現在は24h) のquarentineを行っていますので、返却日には注意です。

 

また、物理的に図書館に行くのが難しくてもアメリカの図書館にはとても素晴らしいシステムがあるのです。

それは、

 

【Libby (とOverDrive)】

Libbyは図書館カードさえあればその図書館の有するeBooks, audiobooksなど様々なコンテンツをどこでも楽しむことができるアプリです。

Libby, by OverDrive

Libby, by OverDrive

  • OverDrive, Inc.
  • Books
  • Free

apps.apple.com

このOverDriveという会社、同名のAppがあります。ほぼLibbyと同じ機能だと思うんですが、使ってみた感じLibbyのほうがuser friendlyかなという印象で私はLibbyを使っています。

Appを開いてみると、このような画面になります。私はFinger Lakesのシステムで登録済みなので、自動的にその図書館のデータベースに飛びます。「返却されました」等のお知らせがある場合は右上に表示されます。

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お知らせを選択した際の画面がこちら。まださらに追加で試したことはないのですが、図書館の追加もここからできます。言語設定をした記憶はないのですが、iPhoneがフランス語設定なのでアプリ内もフランス語になっています。

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Library (Biblioteque) メニューではアイテムの検索ができます。

今気になっている”Ali Smith”を検索してみると・・・ 

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このようにアイテムの一覧が結果として表示されました。

 

eBooksやaudiobooksなどのデジタルコンテンツの場合でも、実際の図書館同様に一度に貸し出し可能な数が限られています (図書館がeBooksやaudiobooksを”購入”しているため)。

 

現在貸し出し中のものは予約をすることで、前の人が返却した後に借りることができます。

 

こちらは三週間たつと自動的に返却となりますので、返し忘れの心配はありません。もし三週間後も誰もホールドしていない場合は、もう一度借りることができます。借りられる数には月の上限があり、Finger Lakesの場合は5冊だったと思います。

 

このアプリの素晴らしいところは、借りたアイテムをオンライン・オフラインどちらでも楽しめるところです。デバイスの容量に余裕がある場合、ダウンロードしてオフラインで楽しめるんです。(ただし、ダウンロードしたものも期限が来ると自動的にデータは消去されます)

 

【Friends of Library】

もう一つ、アメリカの図書館で大好きなところがあります。

 

それはFriends of Libraryという団体が運営する年に二回のBook sale!

 

これは住民からのドネーションや図書館で要らなくなった本 (といっても、ずっと借りられていないためなどの理由の本もあり、新品同様のものもあります) の大売り出しイベントで、収益はすべて図書館が新しい本を購入することなどに充てられます。図書館は在庫整理できるし収入はいるし、住民は格安で本をゲットできるし、もう・・・最高じゃないですか??

 

Ithacaの場合は5月と10月 (2020年はCOVID-19のため5月は7月に変更) の二回、各3週末にわたって行われています。

 

最初の週は最高価格$4.5/冊。最終週には¢10、最終日には段ボールひと箱で$1というたたき売り。本によってどのタイミングで買うかをいつも考えながら楽しんで買っています。

 

英語以外の本もコーナーがあって、私は「アメリカで」村上春樹の最新長編 (日本語版) を一冊$1ほどでゲット出来たことに震えました。

本だけでなくDVD, CD, レコード, パズル, ゲーム, 文房具などありとあらゆるものが売られ、かなり掘り出し物も多いので市民の大好きなイベントです。

 

 【青空文庫の英語版?アメリカじゃなくても使えるサービス】

オンラインではアメリカ居住者でなくても洋書などを読める/借りられるサービスがあるので二つほど紹介させていただきます。

一つ目は、著作権が切れた作品を扱うProject Gutenberg

www.gutenberg.org

 

もう一つは、新書もたまに見つけられるオンライン図書館サービスのOpen Library

openlibrary.org

Open Libraryはオンライン登録が必要ですが、すべて無料です。

 

 

いかがでしたでしょうか。

アメリカ以外でも似たようなサービスはあるかもしれませんが、私は今回紹介させていただいたようなサービスにはとても感動しました。