Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

2.13福島県沖地震ニュースからの英語とフランス語

こんにちは

先日の福島沖地震のニュース、読むだけで10年前の揺れを思い出して怖くなりました。幸い今回は死者も今のところ報告なく、津波もなく、原発も問題ないという点では安心ですが、東北地方は雨も降って寒い時期で本当に心が痛みます。水道やインフラも早く復旧することを祈っております。

 

今回はアメリカ2紙 (いつもとは毛色?を変えてみました)、フランス1紙まとめてみていきます。この3紙の中ではフランスの20 minutesが一番記事の質が高かったように感じました。また、アメリカの2紙を読んで、地震の時に使われる動詞にも色々とあるのだなと勉強になりました。

 

【Newsweek: 10年前と同じ地域を大地震が襲う】

www.newsweek.com
Shaking from the earthquake started at roughly 11:08 p.m., and rattled the greater Tokyo area for about 30 seconds.

rattle

ガタガタと鳴る (揺れる)、ダダダダというような連続音。赤ちゃんのガラガラ。ヘビがガラガラと音を立てるときに揺らすしっぽの部位のこともrattleというようです。

揺らす (shake) ことででる音に関連するようです。日本人だったら地震の時につかうオノマトペ的なかんじでしょうか。Cambridge Dictionaryの例文が、日本人的感覚と少し乖離があって面白かったので引用します

From across the town came the rattle of machine-gun fire.

 

"The initial jolt felt more powerful than the one I experienced in the Great East Japan Earthquake (in 2011),"

⇒ jolt

急に暴力的に動かす (電車の急停車や飛行機が激しく着陸した時の衝撃など)。また、メタファー的に「心を激しく揺さぶらせる」という意味にも使われるようです。

 

The earthquake occurred less than a month before the 10-year anniversary of the 2011 disaster, dubbed the "Great East Japan earthquake" and tsunami, that left roughly 19,000 thousand people dead or missing.

⇒ dub

名付ける、命名する

また、映画などでのdubは吹き替えをするという意味です。吹き替え版はdubbedという風に言います。ダビングもここから来てるんですね。

 

 

【Time紙: 強い地震が日本を襲う】

time.com

The same northeastern area was slammed by a quake, tsunami and nuclear disaster in March 2011. Experts are warning of aftershocks over the next several days, including possibly larger quakes.

⇒ slam

バタンとたたく。硬いものに対して力強く音を伴って動かすことだそうです。イライラしてドアをバタンと占めるときなどにはこの動詞が使われます。また、批難する、批判するという意味でも使われるようです。

口語表現としてよく使われるのがI'm slammed.で、とても忙しいという意味です。

後はスポーツでgrand slamとかslam dunkとか聞きますね。

 

また、earthなしでquakeだけでも地震を意味します。余震のことはaftershocksという風に言うんですね。

そういえば震度というのは日本の単位(?) なので、Japanese quake scaleなどということができます。Seismic intensityともいうようですが、scaleのほうが個人的にはイメージしやすいかな、なんて思いました。国際的にはマグニチュードがユニバーサルですね。

 

【20 minutes: 強い地震が福島を襲うも大きな被害はなし】

www.20minutes.fr

今回も引用はLarousse先生から。

Le Japon a connu une grosse frayeur dans la nuit de samedi à dimanche

⇒ frayeur

恐怖、恐れ。フランス語で怖いというとシンプルに思い浮かべるのがpeurだったんですが、このfrayeurはものすごいpeurという感じで、強い恐怖を表すようです。また、何かはっきりとした原因に基づく恐怖というニュアンスらしい。Synonymsにはpaniqueやterreurなどもありました

  • Grande crainte passagère, causée par un danger véritable ou apparent : Trembler de frayeur.

 

mais ayant été suivi de plusieurs répliques dans la nuit,

⇒ répliques

地震という今回のコンテクストの中では余震という意味になります

  • Séisme, ou ensemble de séismes succédant à un grand tremblement de terre.

 

un séisme de magnitude 9 accompagné d’un gigantesque raz-de-marée

⇒  raz-de-marée

高潮、津波。因みにtsunamiはフランス語に既になっている単語ですので、津波という用法に関しては、こんな難しい発音の単語を言う必要はなし・・・ホッ

  • Énorme vague qui peut atteindre 20 à 30 m de hauteur, provoquée par une tempête, une éruption volcanique, un séisme ou un glissement de terrain. (Dans les trois derniers cas, on dit aussi tsunami.)

同じような互換の言葉にrez-de-chaussée (RDC) がありますがこちらは地上階。

他にも日本語からフランス語になっている単語は色々あります。zenはもちろん、ikigai (生きがい。似たようなニュアンスでraison d'etreという言葉がフランス語にもありますし、こちらは英語にもなっていますが、ここで日本語が輸入されてくるのは面白いですね) やshinrinyoku (森林浴) なんて言葉まで。

 

Le gouvernement continuait en outre dimanche d’évaluer le bilan des dégâts.

⇒ dégâts

被害、損害、ダメージ。水害のことをdégâts d'eauといったりします。災害のことはcatastrophe (略してcataなんて言ったり。フランス人は本当に略すのが好きです・・・)。もちろん天災などの本当の災害だけでなく、「大変な状況」な時にもメタファー的によく口にされる言葉です。

同じような意味を表す言葉としてdommageがあります。dommageは「残念だ」という意味もあり、日常的にもよく使われますね。因みにdommageのほうがtans pisに比べて本当に残念という意味合いが強いです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

もう3.11から10年もたつのかと信じられない気持ちです。

NYは地震が全くないので、夫にニュースを伝えた時の反応も心なしか薄く、この不安な感じや10年前に感じた恐怖を共有できないのはちょっと切なく感じました。とはいえ、まぁ経験しないとわからないですよね。私も経験したといっても関東だったので東北の方や阪神淡路や熊本、北海道、新潟のそれと比べることすらできませんが、足ががくがく震えながら必死で大学の非常階段を降り、地上についてからもまるで海の上にいるような揺れを感じ、怖かったことを覚えています。

確かに福島の原発は今も何も解決していない大きな事故ですが、海外ではどうしてもそちらばかり注目されるのでそれもなんだか悲しいなと思います。地震のたびに恐ろしい音でなる地震速報、JCのコマーシャル、計画停電・・・多かれ少なかれ多くの人にトラウマと暗い気持ちをもたらして、でもみんな立ち上がって頑張っているのに、原発の批難ばかり。

政府や東電には憤りを勿論感じますが、地震の恐ろしさを知らない国の人にそこばかり色々と日本非難をされると、なんだかなぁと悲しくなります。