NEWS: WHOの武漢調査への米紙の反応と理想郷
こんにちは
今回はWHOによるCOVID起源調査後の記者会見に対するアメリカ紙とイギリス紙の反応から英語を学んでいきます。これに関してはもはや政治的問題になってますよね。アメリカ紙はそういった意味では今回はフランス紙よりも棘がある印象でした。
※個人的に中国の方個々人には偏見もなくニュートラルです。親友の一人は中国人ですし、アメリカでも中国の方には優しくしてもらっていてみんな好きです。ただ、政府はどうも好きにはなれませんし、最近は香港や尖閣問題もありやっぱり怖いと思います・・・
【Washngton Post紙: WHO手ぶらで帰国、中国プロパガンダの勝利】
"vindication and triumph"
⇒ vindication
釈明、弁明。証明という意味もあるようですが、ここでは弁明かなぁ
"The WHO's headline announcement — that it would rule out the possibility the virus accidentally leaked from a Wuhan lab — was hailed by Chinese officials and in state media as effectively silencing claims that China was hiding secrets and trying to deflect blame."
⇒ hail
「え?ひょう・・・?」と、一瞬思ったんですが、動詞では称賛するという意味もあるようです。雹から派生した表現で
他には、「(その人の注意を得るために) 呼ぶ」という意味もあります (taxiを呼ぶことをhail a taxiといったり、街中で少し遠くに知り合いを見つけた時に呼んだりするときもhail someoneです)
tried to turn the tables
⇒ turn the tables
(立場、形成を) 逆転させる
Tableって結構メタファー的に表現でよく使われますよね。そういえば、アメリカで就労許可がないけれど、個人間でやり取りして稼ぐのはありだよな (cafeなどには結構地元の掲示板があって、ちょこちょこ面白い仕事があります) と思って夫と話していたときに"under the table"という表現も出ました。基本ネガティブな表現ですが・・・。因みに、このように個人間で会計記録に残らずに行われる雇用を「off-the-books jobs」と言ったりします。
また、put food on the tableという表現があり、これは食卓に食べ物を置く、つまり家族を養う (ために働く、稼ぐ) という意味があります。
they emphatically ruled out a lab mishap
⇒ mishap
不運、災難、運の悪い事故
I remain agnostic about the origins of SARS-CoV-2
⇒ be agnostic about/on
~については分からない、分かりかねる。agnosticは不可知論者という意味。
一瞬単語観た時にagonistと混同しました (薬学あるある?)。
China had staunchly resisted an international inquiry and decried it as a politicized effort by the Trump administration to demonize China
⇒ staunchly
頑なに、頑固に、忠実に、強く
⇒ decry
(悪い、価値がないなどと) 非難する、批判する (criticize)、けなす。何かのことを公に有害であるという。類義語にcensure, condemnがあります。censureはstrong criticism/disapprovalという強い批判や、特に組織などからの公式見解などに対する批判の時に使われるようです。
ややこしいのがcensor/censorshipで、こちらは検閲。ただし、検閲のフランス語はcensurer...(このブログ記事のニュースのフランス版で触れました)
そして、TEDの記事でも一瞬触れた国勢調査はcensusです。
これらはすべてラテン語 (censere; 判断する、評価する) から来ています。
⇒ demonize
悪魔化する。つまり、悪者にするという感じ?
démonはフランス語で悪魔を意味します (diableも)。英語でも「悪霊、鬼、悪魔」だそうです。私は英語で悪魔というとdevilを思い浮かべますが・・・。
また、demonは名人、達人という意味や残虐な人というような使われ方もあるようです (全然印象逆だけど、文脈判断なのですかね)。
Although the claim was widely debunked,
⇒ debunked
(主張などが) 誤りであると暴く、偽りであると証明する。
(言っていた、謳っていたよりも) 良くない、大事でない、正しくないなどと明かすことのようです。
cherry-pick people
⇒ cherry-pick
良いものだけを選ぶ、いいとこどりをする、選り好みする
cherry-pickerは「いいとこどりをする人」の意味以外に、高所作業車の意味もありました。食べ物の好き嫌いとか、選り好みをする人のことを日常会話でpickyと言ったりもしますね。
昔バイト先の店長に食べ物の好き嫌いが多い人は性格がわがままなことが多いといわれました。確かに私は食べ物も物もこだわりが強いことが多く・・・わがままです 笑
"We advise those Western politicians and media who just open their mouth to be less disruptive and not to be a stumbling block while humanity cooperates to fight the virus."
⇒ stumbling block
障害物、つまづきの石
Lyonに住んでいたころに、一時間ほどのHauterivesという街にPalais Idéalを訪れに行きました。昔Chevalさんという郵便屋さんがいて、いつも異国に思いをはせていたそうなんですが、ある日石につまずいて転んでしまったんです。その「つまづきの石」からインスパイアされて33年かけて、たった一人で、いつも思い描いていた、Chevalさんにとっての理想郷 (Palais Idéal de facteur Cheval) を作り上げました。
Hauteriveの街はすごく小さくて、とてもフランスらしい風景を見ることができます。いつか記事にしたいです。
Le Palais idéal du Facteur Cheval - Région Rhone-Alpes - Le Monument Préféré des Français
まだ見ていないんですが、フランスから帰国する直前に映画のDVDも買いました。実はPalais Idealを訪れた時に実際に撮影に関する注意書きがあったので、「映画化されるんだ~」と思っていたんですが、思ったより早くリリースされました。
Lyonから日帰りで行けて、「観光地」というよりはのんびりできる所です。Palaisから徒歩圏内にChevalさんのお墓もあるんですが、そちらもChevalさんが自分で作っていて、ひときわ目立っています。お墓までの道のりがまた、いい景色なんだよなぁ。
私はああいうフランスの田園風景というかのどかな風景が美しくて大好きです。
「日帰りで行けて」と書いておきながら矛盾なんですが、私はそういう小さな街こそ一泊はするべきと普段は考えています。日帰りではなんだか虚しい気持ちになってしまうんですよね。あの時は今の夫が二週間だけ遊びに来てくれた時だったので時間に余裕がなかったんですが、もしそうでなかったら一泊したかったな。
L'INCROYABLE HISTOIRE DU FACTEUR CHEVAL Bande Annonce (2019)
・・・まぁ、Chevalさん以外にはstumbling stoneはあまりいい意味ではないですね。
【New York Times紙: 中国広報の勝利】
Experts with the global health agency endorsed critical parts of Beijing’s narrative, even some parts that independent scientists question
⇒ endorse
(公に) 支持する、承認する、裏付ける
en (ラテン語のin (中、後ろ)) + dorse (ラテン語のdorsum (背中)から。フランス語で背中はdos)。特にこの語源からイメージしやすいもう一つのendorseの意味が「チェック (小切手) の後ろにサインする」 というものです。
日本ではあまりチェックは使わないイメージですが、欧米はまだまだ使いますね。特に結婚したときは親戚などから沢山お祝いをチェックでいただきました。
【CNN: 中国の付け込み】
最後は新聞ではないですが・・・「Analysis」コラム?のわりに読んでいてそこまで新しい発見はなかったかな?でも中国からアメリカに対してのコメントが (このブログ記事で比較した中で) 一番多く載っていた。また、結構露骨に批判的な書き方だと思いました。
the WHO experts prevaricated or admitted there was no clear evidence.
⇒ prevaricate
言い逃れる、言葉を濁す
Chinese state media used comments from the fiercely apolitical scientists to vindicate various propaganda priorities
⇒ fiercely
激しく、猛烈に (恐ろしく、暴力的またはパワフルなニュアンス)
while Global Times, a nationalist tabloid, took it a step further, saying WHO was ready to "scrutinize Southeast Asia" as a potential origin of the virus.
⇒ scrutinize
綿密に調べる、隅々まで調べる
なんだか面白い綴りの単語だなと思って語源を見てみたところ、こちらのページから以下の説明を見つけました。