Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

King of the Hill S1E2: Square Peg

こんにちは。

今回もKing of the HillのS1E2から英語表現やアメリカ文化を学びたいと思います。

軽くチェックしてからアニメを観ると、より面白くみられると思います。勿論見終わった後の英語復習にもどうぞ。

 

King of the Hillの基本情報や主な登場人物のまとめはこちらの記事をどうぞ 

 カテゴリー"King of the Hill"から、他のエピソードの記事も見られます。

 

【エピソードのテーマ】

Peggy is mortified and tongue-tied when she finds out she has been chosen to teach the middle school's sexual education class, while Hank does everything he can to keep his son from learning about sex.

今回はサブテーマはなく、性教育 (Sex Ed) で一貫。

 

【S1E2から学ぶ英語表現】

 【腰を痛めてPeggyに助けを呼んでいると、Bobbyが帰宅・・・】

(Hank) "I got a situation here!"

 ⇒ a situation

problemと同じ意味。少なくともKing of the Hillではよく聞くなぁ

関係ないんですが、なぜかnature call (尿意を催す) という表現を思い出しました。どの言語でも生理現象に対して婉曲な表現が色々と存在するのは面白いですよね。

 

(Hank) "No need for Bobby to get all bothered up learning about sex (...)"

⇒ get/be bothered up

悩ませる、気にならせる。bother (邪魔をする、気にする≒disturb) は結構使える表現です。例えばSorry for bothering youで「(忙しいところ) お手数をおかけしてすみません」(返事としてNo, don't worry, you're not bothering me at all, 全然かまいませんよ、という場合もある)、Don't bother meで「邪魔しないで」という意味。ただし、目的語がない場合 (Don't bother) は、「気にしないで、構わないで大丈夫と」いう意味になります。

フランスでもかなり対応する表現を聞きました。bother/disturbはdérangerという単語に当たりますが、学生が指導教官に用がある時に、先生がちょっと忙しそうなときには「***, je vous dérange (pas)?」とよく前置きして話しかけていました。また、部屋で大事な話をしていて、誰にも入ってきてほしくないときにMerci de ne pas déranger (とかNe dérangez pas SVP)  ! などと書いた紙をドアに貼っていました。

 

また、botherには面倒、手間という意味もあります。ただし、「めんどくさいな~」という日本人の感覚で使う時にはthat's bothersomeとかいうよりは、pain in the assという表現のほうが用いられる気がします。

英語にはass (ケツ) (フランス語ではcul) を使った表現が沢山あります。まぁ日本語にも尻に火が付くとかはあるけど、英語やフランス語に比べてかなり少ないように感じます。そして、いわゆるFワードのような言葉って日本語にないですよね ?!日本語でこれといった決まり文句的な相手を罵る言葉は少なく、いわれてもあまりピンとこないな~と思いました。言葉やジェスチャーを特になんとも思わない日本人。世界的には珍しい人種なのかもしれません・・・。

 

⇒ sex

"the facts of life"や行為そのものに対しては"bedroom business""making love"というような婉曲表現があります。フランス語にも色々ありますが、全く同じ表現のfaire l'amourはなんだか美しい響きにすら感じてしまいます。

性別として英語では普通の単語のsexですが、性別と言いたいときはgenderという言葉をつかうことのほうが多い気もします。

 

【PeggyがBobbyに親としてSex Edを教えようとするシーン】

(Bobby) "I'm a little worried about being a slut"

⇒ slut

尻がる女、誰とでも寝てしまうような女。日本語で用いられがちなbitchは英語ではslutです。bitchはやな女という意味や若い子がわざと友達に言うような感じで、日本語の意味とは異なります。whoreは賠償婦として職にしている場合です (=prostitute/フランス語ではputeという⇒Plan Coeur)。

 

Bobbyは男の子なのでなんで女に対して使われる「slut」を使ったのか完全にはよくわからないんですが、その前後で「sexについてよく知らない」というようなやり取りがあったので、おそらく言葉は聞いたことあって、そういう悪い意味があるのは知っているけど実は意味を理解していない (日本人の小学生が「僕"ヤリマン"になりたくないよ」というような感じ???) ことから来たのかなと思います。どうなんだろう?man-slutという言葉もあるようですか???

 

今回のEpのようにアメリカや諸外国ではやはりSexEdは親が教えるものという感じなんでしょうか。日本は今はどうなんだろう。

私が小学生の頃は、5年生くらいの時に体育館で女子だけ生理のことを習って、ナプキンを一つ?もらった記憶がかすかにあります。正直分からなかったし、初めて生理が来たときは家で一人だったので結構焦った記憶があります。性行為については習った記憶はないけど、まぁ何かしら習ったんでしょうね (そんなレベル)。

 

【いつものように近所四人でビールを飲みながらだべっているシーン】


Government sex education is a UN plot to push "Zero Population" bulldink

(Dale) "It's that some old clubber one zero-population bulldink that the UN's been trying for years. (...) They want to whittle us down so we can't keep a standing army, that's when the Chinese'll come marching in"

⇒ clubber one

clubberはいわゆるパーティピーポーやクラブ大好きな人

⇒ zero-population

確かではないのですが、多分ここではzero-populationとZero Population Growth (ZPG) のことかなと思います。ZPGは、ある期間で人口が変わらないこと (生死バランスだけでなく、移民や転出もふくめた人口の変動がゼロ) ということのようです。最適な人口に安定した後はこのZPGの状態をキープすることが持続可能な世界において「理想」とされているようです。

populationeducation.org

Daleは国連がZPGを提唱した (? 真偽は私はよくわからなかったんですが) のを「zero-population」と勘違いしている? ままで皮肉っているのかなと思いました。zero-populationはそのまま「人口ゼロ」。多分、性教育といってDaleが考えたのは「避妊」。避妊を正しくすれば子供はできないですよね。みんなずっと避妊して、世界的に子供ができなければ人口ゼロになる・・・。どうなんでしょうか。日本語字幕ではどうなってるんだろう・・・もしご存じの方がいたら教えてください 笑

 

⇒ bulldink

これも正直よくわかりませんでした。スラングなどを調べるときにお世話になっている (笑) Urban Dictionaryから引用します。

Bulldink is slang used in Ottawa and Eastern Ontario to refer to something that is either ridiculous or untrue.

It is also sometimes is used when someone does not want something to be true, even when it's staring them right in the face.

つまり、ばからしいとかありえない (信じたくない) という感じでしょうか。

うーん・・・もう一つの可能性としてbull dink(y) かなと思ったんですが、わかりません。

夫には「Daleの言ってることは理解されるべきではない/理解できなくていい」と言われました。

 

でも気になる! 

いつも思うんですが、Daleのセリフは特に難しいです! 語学的な難しさもあるんですが、それよりも時事背景や文化背景を知らないことによる難しさを感じます。頑張ろう~

 

【PeggyとLuanneがSexEdの本を一緒に読むシーン】

(Peggy) "Listen to this chapter title, <The 14 Stages of Arousal>, and then you turn the page, ...Oh my goodness! Is that C. Everett Koop ?"

⇒ arousal

覚醒。性に関するコンテクストでは勃起。 

このあとLuanneが「ちょっとまって。その本少し古いんじゃないかしら、今は確か18ステージのはず」と言っていて面白い。

C. Everett Koop

レーガン政権の下で公衆衛生局長官を務め、タバコの健康への被害やエイズ撲滅のために「安全なセックス」と「小学生からの性教育を」を訴えた医師。

 

(Luanne) "Self-exploration is a perfectoly natural exercise throughout pubescence"

⇒ pubescence

 思春期。adolescence (青年期) ともいいます、というか私は個人的には思春期の子が周りにいないせいかこっちのほうがよく聞く気がします。adolescenceが年代として「子供」と「大人」の間に位置するのに対し、pubesenceはもっと性的にmatureになっていく時期という意味が強いのかなとも思いますが、ほぼinterchangableなようです。

以下のページの下にsynonymsの面白いイラストがありましたので参考までに。

thesaurus.plus

 

(Hank) "What kind of filth are you reading ?...That is the inside of a womb, a woman's womb"

⇒ filth

汚れ、垢、淫らなもの

⇒ womb

子宮、胎盤。医学的にはuterusといいます。 この意味から、何かが生まれる場所という意味にも派生しているようです。

 

【PeggyがPeggy母からSex Edを受けた時のことを回想するシーン】

(Peggy mom) "(...) and you start getting a monthly visitor" (Peggy) "Who? Uncle Joe ?"

monthly visitor

勿論生理のことですが、ちょっと古そう? このやり取りが純粋に面白くて思わず採用しました。様々な言語で色々な婉曲な表現があって、でも言語が異なってもアイデアが似ているのが面白いなと思いました。Menstruation (月経。ちょっと医学的で会話ではあまり使わないかも?) や会話でつかうものとしてはperiodなどがあります。

 

【再びビールだべり】

(Dale) "They found some other depraved harlot to teach that Sex Ed class"

 ⇒ depraved

堕落した、腐敗した

 

⇒ harlot

娼婦。ただし、古い表現で今は本当の娼婦の意味ではほとんど使われないようです。

こちらの下のほうににとっても詳細な解説がって、なるほど!となりましたので是非参考までに :)

hinative.com

 

(Bill) "I've never been with a woman like that. Except, of course, a bargirl"

⇒ bargirl

水商売の女 

 

【Bobbyのソフトボールの練習でPeggyが友人と会話するシーン】

(Peggy) "I don't know if I can overcome the crippling sense of shame I got from my mother"

⇒ crippling

不自由な、無能な、大きなダメージを与えるような

動詞形はcripple。名詞も同じで身体障がい者や手足の不自由な人から欠陥品、廃人というちょっとextremeな意味もあるようです。ただ、欠陥品はdefective productというほうが一般的? 口語ではIt's brokenとかit doens't workとかもっと簡単に言えます。

 

(Frined 1) "I've been telling people, Peggy Hill is not one of those teachers that puts all of that intellectual hooey about common decency"

⇒ hooey

戯言、ナンセンス。同じスラングとしてbullshit, rubbishとも。 

⇒ common decency

decencyは品位、良識、礼儀、配慮。つまり、一般良識、常識的な配慮、当然の配慮とかそういうかんじ? 形容詞のdecentは会話でかなりよく使われます。decent jobとかdecent homeとか「妥当な」という意味で使われることが多いですが、contextにより「適切な」とか「きちんとした」という意味の場合もあります。

 

(Friend 2) "We all grew up not knowing the real words for your <dinky> and your <woohoo>, and we turned out fine"

⇒ dinky

アメリカ英語では「取るに足りない」、イギリス英語では「小さくてかわいい」という意味のようです。また、男性器のスラングとしての意味もあるようです。

⇒ woohoo

一般的には「やったー」という意味ですが、おそらくここではsexのことを指しているのだと思います。

どうでもいいですが最近日本が恋しくなることがあって、90-00年代のJpopをランダムにSpotifyで聞いているんですが、まさかのこれを書いているタイミングでGLAYの「Winter Again」が流れてきて、BGMで「woohoo (どちらかというとwoo hoo ?)」を連発していて、ちょっと笑ってしまいました。

 

【代理教師のプライドをかけてSex Edの授業のために努力するPeggy】

(Peggy) "It'll moisturize and exfoliate" "(...) teach anything from Gym to Home Ec ! I took an outh, darn it!"

⇒ exfoliate

角質除去。 角質はdead skinとも言います。

 

(Peggy) "Uvula"

(Hank) "I heard you ! The whole nighborhood can hear you cussin' !"

(Peggy) "It's nit cussin' to say the name of a God-given body part"

(Hank) "If it's a part of the body that was meant to be concealed by an undergarment"

 

⇒ Uvula

口蓋垂 (喉陳子)

⇒ cussing

呪い (cursingのスラング)、悪口、冒涜。

私の夫は Munchkinというゲームが好きなんですが、その中にカードの属性で「curse」というのがあります。基本的にそのカードを引くと悪いことが起こります。ちょっと慣れるまでややこしいゲームで、私はまだあまり面白いとは思いませんが、慣れたら面白そうなゲームです。

ja.wikipedia.org

⇒ concealed

隠された、潜伏した

⇒ undergarments

下着。garmentsは服装のことです。

 

【HankはSexEdの授業へのBobbyの出席をはじめ認めなかったが・・・】

(Hank) "It's called the double standard, Bobby. Don't knock it. We got the long end of the stick on that one"

⇒ the long end of the stick

short/bad end of the stick「最悪の結果となる」「貧乏くじを引く」という表現があります。longやrightが代わりに用いられる場合、逆のいい意味になるようです。

 

(Hank) "Imagine how hard that is for your mother, trying to teach a roomful of snickering 5th graders the difference between a boy and a girl's...you know, hook-ups"

⇒ snickering

冷笑する、くすくす笑う、忍び笑う

⇒ hook-ups

ここでは再びsexの婉曲?表現です 

 

【PeggyがSex Edの授業を終え帰宅後】

(Hank) "I sent the kids off to see a double feature"

(Hank) "I seem to recall, you kind of like being dipped"

⇒ double feature

(長編) 二本立て。つまり、子どもたちはすぐには家に帰ってこない

 

 

いかがでしたでしょうか

今回はテーマがSexEdということで結構そういう単語や表現も多くありましたね。

今回も30分のアニメのわりに結構調べるのが大変でしたし (主にDaleのせい)、夫にはちょっとバカにした感じで笑われましたが (まぁKing of the Hillを教材にしてる私も私ですが) 、いいんです。自己満です。好きなんです。

ばかにするなら三か国語、いや二か国語でもいいからしゃべってからバカにしてほしい~なんていつも心の中で思ってしまう私。何もやらない人よりはまマシ!・・・よね?